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書評「消化管粘膜下腫瘍の診断と治療」
多賀須 幸男
1
1多賀須消化器科内科クリニック
pp.254
発行日 1996年2月25日
Published Date 1996/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103955
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本書は,日本で最初に“粘膜下腫瘍”に注目してその研究をライフワークとされた信田重光教授が中心となって編集されたモノグラフで,病理学的方面を中村恭一教授が担当している.カラー図版をふんだんに収載しているから,やや高価なのはやむを得ない.
胃細胞診の草分けである信田教授は,序文にあるように1958年に世界で初めて胃細網肉腫の細胞診による診断に成功した.その驥尾について細胞診に携わっていた筆者には印象深い報告であったが,それを契機に消化管の非上皮性腫瘍に取り組まれてから今日まで,どちらかと言えば地味な主題である粘膜下腫瘍について研究を続けてこられた.第1章は食道から大腸まで粘膜下腫瘍の全体像について,17頁にわたる信田教授の豊富な経験に基づいた含蓄ある記述である.
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