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書評「消化管粘膜下腫瘍の診断と治療」
城所 仂
1
1国際親善総合病院
pp.92
発行日 1996年1月25日
Published Date 1996/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103928
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本書は信田重光・獨協医科大学名誉教授,中村恭一・東京医科歯科大学教授の両氏の編集で,消化管粘膜下腫瘍の診断と治療について,多くの症例を提示しながらわかりやすく解説している.本書の冒頭に,著者が順天堂大学・福田外科に入局し,細胞診のテーマで研究を始めた経過が述べられている.著者は外科教授として教職にあり学会に活躍されたほか,日本臨床細胞学会理事の要職にあり,文字どおり細胞診に一生をささげたといってよいと思われる.
その信田教授が最初に興味を持った粘膜下腫瘍についての,長い研究生活で得られた知識と経験の集大成であるから大変価値のある,また貴重な著書である.ご本人は“この領域の医学は内視鏡診断,超音波診断およびCT,MRIなどの進歩で大きく変わったし,これからも新しい知見が加わって行くので,本書は現時点での道標にすぎない”と本書の序文で述べているが,本書の内容は十分この領域の研究者を満足させるものと思う.また文献も約500個近くが収めてあり,臨床の実際場面だけではなく,レファレンスブックとしても,関係論文の作成などを含めて大いに役立つであろう.
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