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書評「前立ちからみた消化器外科手術」
中山 和道
1
1久留米大学外科学
pp.14
発行日 1996年1月25日
Published Date 1996/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103909
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消化器癌の中で最も手術が難しいものの1つで,しかも一般に治療成績が非常に悪いのが肝門部胆管癌である.この癌の手術において世界的に抜群の成績を上げておられ,わが国で最もaggressive surgeonの誉れ高い名占屋大学第1外科・二村雄次教授と東海病院長・早川直和の名コンビが,ちょっと変わったすばらしい手術書を刊行された.
序文で梶谷流二村(名古屋)道場という言葉を使われているように,両氏は消化器外科学の発展に偉大な功績を残された故・梶谷鐶先生に師事し薫陶を受けておられる.本書はその梶谷先生の教えを引き継ぎ,更なる創意工夫を積み重ね,その細部におけるノウハウを広く全国の若き外科医に教授すべく執筆された書である.助手の目で手術を追うという発想は,両氏の手術に対する考え方を端的に表しており,いかにチームプレーを重視されているかがうかがえる.
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