特集 消化管悪性リンパ腫1998
主題
Ⅲ.治療
Helicobacter pylori除菌療法による形態像の変化
齊藤 大三
1
,
小野 裕之
1
,
永田 和弘
1
,
佐川 保
1
,
小竹 桃子
1
,
後藤田 卓志
1
,
近藤 仁
1
1国立がんセンター中央病院内科
キーワード:
H. pylori除菌療法
,
low-grade MALTリンパ腫
,
high-gradeリンパ腫
,
IgH再構成
Keyword:
H. pylori除菌療法
,
low-grade MALTリンパ腫
,
high-gradeリンパ腫
,
IgH再構成
pp.457-466
発行日 1998年2月26日
Published Date 1998/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103614
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要旨 Helicobacter pylori(以下H. pylori)陽性のlow-grade MALTリンパ腫(L-MALT)におけるH. pylori除菌療法後の組織学的改善率は約70%であり,有用な治療法と考えられる.しかし,除菌療法施行前には十分なstaging,informed consentが,除菌療法後の改善率においても短期間ごとの慎重な経過観察が必要である.除菌療法に奏効しないものやH. pylori陰性のL-MALTにおいては,内視鏡的あるいは組織学的増悪傾向が認められない場合は現時点では経過観察せざるを得ない.high-gradeリンパ腫では除菌療法以外の治療法が選択されるべきである.胃悪性リンパ腫の鑑別診断,治療方針決定および評価のためのmolecular levelでのマーカーの検索・解明が急務である.
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