特集 消化管悪性リンパ腫1998
主題
Ⅲ.治療
胃悪性リンパ腫における化学療法の効果判定と予後
加藤 俊幸
1
,
秋山 修宏
1
,
船越 和博
1
,
斉藤 征史
1
,
張 高明
1
,
小越 和栄
1
,
梨本 篤
2
,
根本 啓一
3
,
林 直樹
4
,
佐藤 正之
5
1県立がんセンター新潟病院内科
2県立がんセンター新潟病院外科
3県立がんセンター新潟病院病理検査科
4林内科
5大曲佐藤病院
キーワード:
胃悪性リンパ腫
,
化学療法
,
術前化学療法
,
非切除例
,
予後
Keyword:
胃悪性リンパ腫
,
化学療法
,
術前化学療法
,
非切除例
,
予後
pp.447-456
発行日 1998年2月26日
Published Date 1998/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103613
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要旨 胃悪性リンパ腫における化学療法の現況と治療効果の形態学的評価を行った.B細胞非Hodgkinリンパ腫が主体のため,化学療法に対する感受性が高く,多剤併用療法の治療成績は年々向上している.化学療法により再切除が可能となったり,非切除例でも長期生存が得られることがある.術前化学療法が行われた14例のうち7例50%では切除標本において腫瘍消失を認め,最長15年の生存を得ている.更に高齢者や手術拒否の非切除例における完全寛解率は13例中12例92.3%と高く,切除優先であったⅠ・Ⅱ期においても化学療法による完全寛解の可能性が高い.なお化学療法奏効例では,EUSを含む内視鏡像で腫瘍の縮小や病変の平坦瘢痕化など形態像の変化が容易に観察され,これらの変化は効果判定と予後に相関した.
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