特集 消化管悪性リンパ腫1998
主題
Ⅱ.診断
胃悪性リンパ腫の内視鏡診断
横田 欽一
1
,
田邊 裕貴
1
,
大坪 力
1
,
渡 二郎
1
,
綾部 時芳
1
,
斉藤 裕輔
1
,
高後 裕
1
1旭川医科大学第3内科
キーワード:
胃悪性リンパ腫
,
胃MALTリンパ腫
,
内視鏡診断
,
PCR法
,
Southern blot法
Keyword:
胃悪性リンパ腫
,
胃MALTリンパ腫
,
内視鏡診断
,
PCR法
,
Southern blot法
pp.345-352
発行日 1998年2月26日
Published Date 1998/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103602
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要旨 胃悪性リンパ腫38例,reactive lymphoreticular hyperplasia(RLH)5例,内視鏡的にリンパ腫を疑われた非リンパ腫4例の内視鏡所見を見直した.胃悪性リンパ腫は,表層型15例,潰瘍型14例,隆起型6例,巨大皺襞型3例に分類された.潰瘍型リンパ腫は85%が類円形の平皿状潰瘍であり,皺襞集中を伴う場合は潰瘍辺縁部に集中点があった.15例がmucosa-associated lymphoid tissue(MALT)リンパ腫であり,敷石粘膜型5例,Ⅱc類似型7例,粘膜下腫瘍型3例に分類された.RLHの2例は自然消失し,他の3例は病理組織学的には濾胞性胃炎,内視鏡的には潰瘍型リンパ腫様の潰瘍であった.MALTリンパ腫やRLHに伴う巨大潰瘍は,比較的短期間に治癒するが,MALTリンパ腫では粘膜病変が残存した.内視鏡所見だけでは胃悪性リンパ腫と鑑別困難な良性疾患が存在するため,生検,粘膜切除による病理検索,遺伝子検索が必要である.
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