Japanese
English
今月の主題 縮小治療のための胃癌の粘膜内浸潤範囲診断
主題
腹腔鏡下胃局所切除(Lesion lifting法)における粘膜内浸潤範囲診断―術前マーキングの重要性
Recognition of Invasion Area of Mucosal Gastric Cancer: Importance of Preoperative Marking with Clips before Laparoscopic Wedge Resection
大谷 吉秀
1
,
古川 俊治
1
,
吉田 昌
1
,
久保田 哲朗
1
,
熊井 浩一郎
2
,
朴 景圭
2
,
向井 萬起男
3
,
亀山 香織
3
,
杉野 吉則
4
,
北島 政樹
1
Yoshihide Otani
1
1慶應義塾大学医学部外科
2慶應義塾大学医学部内視鏡センター
3慶應義塾大学医学部病理診断部
4慶應義塾大学医学部放射線診断科
キーワード:
治療の個別化
,
マーキング
,
粘膜癌
,
腹腔鏡下胃局所切除
,
Lesion lifting法
Keyword:
治療の個別化
,
マーキング
,
粘膜癌
,
腹腔鏡下胃局所切除
,
Lesion lifting法
pp.1272-1275
発行日 2001年9月25日
Published Date 2001/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103320
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はじめに
腹腔鏡を用いた胃局所切除術は内視鏡治療(endoscopic mucosal resection;EMR)と開腹による胃切除術の間に位置し,より低侵襲で確実な方法としてその意義が認識されている1)2).教室では,早期胃癌や粘膜下腫瘍,転移性腫瘍などに対して腹腔鏡下胃局所切除術を実施してきた3)4).
早期胃癌に対する根治的局所切除の条件は,①リンパ節転移がないこと,②水平方向,垂直方向ともに十分なsurgical marginを確保した切除が行えること,③さらにその切除標本が詳細な病理組織学評価に耐えうることの3点である(Table 1)5).われわれの教室ではこれらの条件を満たすことができる腹腔鏡下胃局所切除術(Lesion lifting法)を積極的に実施してきた3).本稿では水平方向のsurgical marginを確実に得るための注意点を中心に腹腔鏡下胃局所切除術の意義を述べる.
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