Japanese
English
初心者講座 胃X線検査のポイント―私の精密検査法
8.陥凹型早期胃癌
Detailed Radiological Examination of the Stomach (8)
西元寺 克禮
1
Katsunori Saigenji
1
1北里大学医学部内科
pp.1080-1081
発行日 1991年9月25日
Published Date 1991/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102651
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
1.精密X線検査で何をみるか
陥凹性早期胃癌の診断はX線,内視鏡を組み合わせて行われてきたが,初回内視鏡でスクリーニングする施設が増加し,X線検査の位置づけも変化してきた.すなわち,内視鏡,生検で癌と診断された後に,その全体像を得ることを目的にX線検査が施行される機会が増えている.しかし,X線は内視鏡では得られない多くの情報を提供してくれる検査法で,精密検査の重要性はいささかの変化もない.精密検査を,診断がついた後,手術前に行う検査と仮に定義すると,その目的は以下のごとく要約される.すなわち癌の拡がり(浸潤範囲)診断と深達度診断である.更に広いⅡcあるいはⅡb型早期胃癌などでは,病変の全体像はX線のみで得られるものである.また,X線検査は本来の目的である病変の診断においても有用であり,切除後肉眼標本と詳細な対比が可能な撮影を心掛けるべきである.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.