胃と腸 図譜
リンパ濾胞性直腸炎
藤田 浩史
1
,
長坂 光夫
1
,
鎌野 俊彰
1
,
小村 成巨
1
,
平田 一郎
1
1藤田保健衛生大学消化管内科
pp.1884-1888
発行日 2011年11月25日
Published Date 2011/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102418
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1概念,病態
リンパ濾胞性直腸炎(lymphoid follicular proctitis ; LFP)は健常な粘膜に覆われたリンパ濾胞の,直腸に限局する原因不明の過形成で,従来,潰瘍性直腸炎(ulcerative proctitis ; UP)と呼ばれる直腸に限局する慢性潰瘍性大腸炎(chronic ulcerative colitis ; CUC)の亜型と考えられてきた1)2).LFPは1985年Potetら3)によりideopathic follicular proctitisとして初めて学会報告され,その後,Flejouら2)が1988年に直腸にリンパ濾胞増生を認めた20症例の臨床的,病理学的所見を詳細に検討しUPから新しい疾患概念としてLFPを区別した.
LFPは40歳以下に好発し,性差を認めない.臨床症状は主に排便に関連した間欠出血で,時にテネスムス,腹痛,便秘,痔核などがみられるときがある.全身状態は良好で発熱,体重減少はなく,下痢は通常認めない2)4).
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