Japanese
English
今月の主題 NSAID起因性小腸病変
序説
NSAID起因性小腸病変
Introduction
飯田 三雄
1
Mitsuo Iida
1
1公立学校共済組合九州中央病院
キーワード:
NSAID起因性小腸病変
,
X線診断
,
内視鏡診断
,
鑑別診断
,
治療
Keyword:
NSAID起因性小腸病変
,
X線診断
,
内視鏡診断
,
鑑別診断
,
治療
pp.125-127
発行日 2011年2月25日
Published Date 2011/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102122
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近年の高齢化社会を反映し,整形外科領域では変形性関節症や腰背部痛に対して非ステロイド性抗炎症薬(nonsteroidal anti-inflammatory drugs ; NSAIDs)を投与する機会が増加している.また,循環器・脳血管領域では血栓予防の目的で低用量アスピリンの使用が急速に拡大しつつある.このような背景から,最近,低用量アスピリンを含むNSAIDsの副作用として,しばしば消化管粘膜傷害が発生し臨床上問題となることが多く,その対策が急務となっている.
NSAID起因性消化管病変のうち,上部消化管病変については従来から多くの基礎的研究や臨床的研究がなされており,2007年に改訂された「EBMに基づく胃潰瘍診療ガイドライン」にもNSAID潰瘍に対する治療指針が示されている.一方,下部消化管病変については,アプローチの困難さもあり,比較的最近になって検討が行われるようになった.すなわち,大腸内視鏡検査の普及とともに,まず大腸病変の臨床像が明らかとなり,さらに近年の小腸内視鏡検査の進歩によって小腸病変についても多くの知見が集積されてきた.本誌「胃と腸」の特集では,NSAID起因性消化管病変が2000年(35巻9号「薬剤性腸炎─最近の話題」)と2007年(42巻12号「非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)起因性消化管病変」)の2回取り上げられている.本号ではNSAID起因性小腸病変のみに焦点を絞って,最新の知見が述べられる予定である.
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