Japanese
English
今月の主題 特殊型胃癌の病理像と臨床的特徴
序説
特殊型胃癌とは
Introduction
九嶋 亮治
1
Ryoji Kushima
1
1国立がん研究センター中央病院病理科
キーワード:
特殊型胃癌
,
胃癌取扱い規約
,
WHO分類
Keyword:
特殊型胃癌
,
胃癌取扱い規約
,
WHO分類
pp.1867-1868
発行日 2010年11月25日
Published Date 2010/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102054
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従来から「胃癌取扱い規約」では胃癌のうち高頻度に出現する腺癌を一般型とし,そのほかを特殊型としてきた(Table 1, 2).1999年に発刊された第13版1)では腺扁平上皮癌,扁平上皮癌,カルチノイド腫瘍とその他の癌が記載され,その他の癌として小細胞癌,未分化癌,絨毛癌とα-fetoprotein産生腺癌が挙げられていた.その後,多くの研究成果や症例報告を踏まえて11年ぶりに改訂された第14版2)では,特殊型をカルチノイド腫瘍,内分泌細胞癌,リンパ球浸潤癌,肝様腺癌,腺扁平上皮癌,扁平上皮癌,未分化癌とその他の癌とした.その他の癌として絨毛癌,癌肉腫,浸潤性微小乳頭癌,胎児消化管上皮類似癌と卵黄㌑腫瘍類似癌を挙げることにした.発生頻度や用語などを再考し,Epstein-Barrウイルスと関連するリンパ球浸潤癌を低分化腺癌充実型から特殊型の1つとして独立させた結果である.
また,「胃癌取扱い規約第14版」では“一般型の胃癌の一部に特殊型の組織像がみられるものは,その旨を診断に付記する"ことになっている.内分泌細胞癌,肝様腺癌を含むα-fetoprotein産生胃癌,扁平上皮癌や浸潤性微小乳頭癌では分化型癌成分がみられることが一般的であり,分化型癌がそれらの前駆病変であることが明らかになってきたからである.
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