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今月の主題 側方発育型大腸腫瘍(laterally spreading tumor ; LST)─分類と意義
座談会
側方発育型大腸腫瘍(LST)の取り扱い
Conversazione―Treatment of LST(laterally spreading tumor)
山野 泰穂
1
,
田中 信治
2
,
斎藤 豊
3
,
砂田 圭二郎
4
,
松田 圭二
5
,
斉藤 裕輔
6
,
大倉 康男
7
Yusuke Saito
6
,
Yasuo Okura
7
1秋田赤十字病院消化器病センター
2広島大学内視鏡診療科
3国立がん研究センター中央病院内視鏡部
4自治医科大学内科学講座肝臓・消化器内科学部門
5帝京大学医学部外科
6市立旭川病院消化器病センター
7杏林大学医学部病理学
pp.1011-1035
発行日 2010年5月25日
Published Date 2010/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101959
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LSTネーミングの経緯と現状
斉藤(司会) 大腸の側方発育型腫瘍(laterally spreading tumor ; LST)が,大変多く発見・治療されています.LSTは「大腸癌取扱い規約」で定義された肉眼型ではなく,ニックネーム的な呼称であることは皆さんご存知と思います.しかし,病変形態のイメージを頭で思い浮かべたり,治療,特にEMR(endoscopic mucosal resection)やESD(endoscopic submucosal dissection)をどう適用したりするかという点においては,非常に有用なニックネーミングだとされています.また,深達度診断が難しい場合もありまして,特にLSTのnon-granular(非顆粒型,NG),pseudo-depressed typeでは,深達度診断が困難な場合が多々あります.また,LSTの結節混在型(nodular mixed type)の中には大きな結節部分で,SMに浸潤しているけれど,表面からの観察では深達度診断が難しい例もあり,診断上,治療上,難渋する例もあると思います.大腸LSTは今後ますます多く発見され,これらに対する内視鏡治療がさらに普及していくと思われますが,本日の座談会では,LSTの病理的な特徴,それからX線,内視鏡的な診断,そして最も重要な治療の面からLSTを細分類することの現状における意義と今後の展望についてお話しいただければと思います.はじめに,LSTという言葉がどのような経緯で生まれたかについて,山野先生からお話しいただきたいと思います.
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