Japanese
English
今月の主題 胃生検診断の意義 Group分類を考える
症例検討
胃の Group分類困難例の実際―検鏡後のコメント
Cases of Gastric Biopsies Difficult to Categorize for Group Classification: Comment
味岡 洋一
1
Yoichi Ajioka
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・病態病理学分野
pp.1503-1504
発行日 2004年10月25日
Published Date 2004/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100582
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Group分類困難例とされた49症例の生検組織を検鏡し,Group分類,Vienna国際分類それぞれで診断を行った.本稿では,各分類についての問題点,筆者の分類運用法,分類困難例について,検鏡症例を踏まえながら,述べたい.
Group分類診断について
現行の胃生検Group分類1)は生検組織の上皮性病変を,Group I:正常組織,および異型を示さない良性(非腫瘍性)病変,Group II:異型を示すが,良性(非腫瘍性)と判定される病変,Group III:良性(非腫瘍性)と悪性の境界領域の病変,Group IV:癌が強く疑われる病変,Group V:癌,に分類している.Group IIIは,胃癌取扱い規約1)説明文(92頁)では “異型上皮巣,扁平腺腫,…陥凹性異型上皮” なども含むものとされており,質的に良性腫瘍(腺腫)と診断されるものと,異型の点から非腫瘍性(炎症再生異型など)か癌かの鑑別が困難なものとが同一のカテゴリーの中に包含されることになる.同様にGroup IVの中には癌が強く疑われる病変(腫瘍か非腫瘍かの規定はない),異型腺管や異型細胞が量的に不足しているもの,非常に高分化の腺癌,等多彩な病変が含まれている.Group分類に問題があるとすれば,質的診断の異なる病変が1つのカテゴリーの中に包含されているGroup IIIとGroup IVの位置づけが病理医によって異なりうること,そしてそれによってGroup分類の運用にも差異が生じるであろうこと,と思われる.
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