図解病態のしくみ—肝臓病・9
薬剤性肝障害
宮林 千春
1
,
渡辺 明治
1
1富山医科薬科大学・第3内科
pp.740-749
発行日 1993年4月10日
Published Date 1993/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402910131
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医療現場において,抗生物質,抗悪性腫瘍薬,中枢神経作用薬あるいは抗結核薬などによる肝障害の例を経験することは多い.実際,添付文書には,時にGOT, GPTの上昇が現れることがあると記載されている薬剤がほとんどで,「薬剤は肝障害を惹起する」と考えて診療にあたることが肝要と考える.
薬剤性肝障害とは,薬剤やその代謝産物が原因で肝細胞の機能や胆汁分泌に障害を与えることによって生じる病態といえる.その分類としては,臨床像から急性型と慢性型,発生機序からアレルギー性と中毒性,病理学的所見から肝細胞障害型,胆汁うつ滞型,混合型などに分類されている.
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