増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
生理機能検査
前庭・聴力機能検査
標準聴力検査
八木 聰明
1
1日本医科大学耳鼻咽喉科
pp.862-863
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402910045
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検査の目的・意義
聴力検査は主として被検者の自覚的応答によって行われる心理学的検査の一種であるが,誘発反応などを用いた他覚的検査もある.心理学的検査の中で標準的に行われるのが,純音聴力検査であり,そのうちの気導聴力検査と骨導聴力検査が最も頻繁に行われる.ここでは主として気導・骨導検査について述べ,他の純音聴力検査である域値上検査や自記オージオメトリー,あるいは語音を用いた検査などについては言及しない.
気導・骨導の検査はJIS規格に合致したオージオメーター(図1)を用いて検査する.気導は普段われわれが外界の音を聞いている経路であり,音が外耳道—鼓膜—耳小骨—内耳と入ってくる.検査は気導受話器を耳に当てて行う.一方,骨導は自分の声を聞いている経路で,音が頭蓋骨を振動させ直接内耳に到達する.検査は骨導受話器を乳突部あるいは前額部に当てて検査する.これらの検査から難聴の有無が分かる.また,難聴がある場合には,その難聴が伝音難聴であるか,感音難聴であるか,あるいは混合難聴であるかの鑑別ができる.
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