連載 耳鼻咽喉科“コツ”シリーズ 2.検査のコツ
①聴力検査のコツ
小田 恂
1
1東邦大学医学部第一耳鼻咽喉科学教室
pp.533-536
発行日 1998年7月20日
Published Date 1998/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901836
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はじめに
本稿は聴力検査のコツという表題であるが,コツという用語も大変広い意味に用いられており,例えば手術のコツなどの場合にはメスの用い方など刃のあて方,切開線の長さなど少し工夫を加えるだけで手術操作が容易になったり,病変部位の摘出がしやすくなったりと通常よりもよい結果に結びつく場合に用いられている。
検査のコツという場合には,検査手技にムダがなく,容易に結果が得られるような場合にコツという用語が用いられる場合が少なくない。
聴力検査に関しては,操作自体は成書に書かれたとおり行えば容易な事柄であり,それほど難しい手技ではない。検査結果もそれなりに求められ,オージオグラムを作成することも容易である。しかし,聴力検査の背後にはいくつかの難しい問題が存在しており,求められた結果が患者の聴力を正しく評価しているかという点になると,なかなか難しい問題である。この項では,いかに誤りを少なく聴力検査を行うにはどうすればよいかということをコツという言葉に置き換えて述べたいと考える。
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