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聴覚誘発電位にはよく使われるもので5種類以上あり,その各反応の起源について動物実験と臨床例応用による結果を比較してその関連性について解説した。聴覚誘発電位の蝸電図(EcochG),聴性脳幹反応(ABR),中間潜時反応(MLR),緩反応(SVR),事象関連電位のP300をとりあげる。EcochGは内耳~蝸牛神経核,ABRは内耳~中脳に至る聴覚伝導路に起源を持つことが明らかにされた。ABRの各波の起源が明らかなことから脳幹障害の診断とwave Vが聴力検査の閾値近くまで反応が記録されることから難聴の診断に世界中で使われ,視覚,体性感覚誘発電位を含めて,ABRがもっともよく使われている誘発電位である。しかし,MLRとSVRは,難聴や中枢性聴覚障害の診断に使われてきたが,その起源を明らかにすることは難しい。新に脳磁図によるMLRのPam,SVRのN1mは聴皮質に双極子が局在することが明らかにされ,聴皮質の機能診断は脳磁図に置き換わった。P300の起源は海馬にあるとするもとのないとするものがあるが,認知関連電位の一つとして臨床応用がされている。以上のように内耳から聴覚皮質中枢に起源を持っ各誘発電位は,臨床上の応用範囲とその限界がほぼ明らかになっている。今後は確かな記録と結果の正しい判定に関しての教育が重要になろう。
Auditory evoked potentials are classified into electrocochleography (EcochG) , auditory brainstem response, middle latency response, slow vertex response and P300 as a event related potentials. Their neural generators and audiological and neurological application for making diagnosis and monitoring neural activity are described by author's study and literatures. EcochG is generated from cochlea, cochlear nerve and lower brainstem. ABR is generated in brainstem from cochlear nerve to the brachium of inferior colliculus.
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