増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
機能検査とDNA診断
DNA診断
感染症のDNA診断
高野 徹
1
,
網野 信行
1
1大阪大学医学部臨床検査診断学
pp.805-807
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402910026
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検査の目的・意義
PCR(polymerase chain reaction)の開発以来,DNA診断の分野の発展はめざましいものがある.数年前より感染症の領域にもDNA診断の技術が取り入れられるようになり,これまでの培養同定法,抗原・抗体法に続く方法として,将来的な発展が期待される分野である.
DNA診断法の利点として,材料が少量でよいこと,また必ずしも生菌である必要はなく,危険な菌や,培養の困難な菌,ウイルスの同定に有利なことがあげられる.またDNAは蛋白質などと比べると生化学的に安定であり,例えば,パラフィン固定標本から,レトロスペクティブに感染の有無を判断することも可能である.
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