臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅺ.腎機能検査
171.PSP排泄試験
安東 明夫
1,2
Akio Ando
1,2
1大阪大学医学部・第1内科
2大阪大学健康体育部・健康科学系
pp.2516-2517
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219492
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異常値を示す疾患
PSP排泄試験は,腎の血行循環機能を知る検査のうちで最も実施容易で,かつ患者にも負担の少ない有用な検査である.15分値がRPF(CPAH)と相関が高いことから,RPFの推定を第1の目的とし,第2は近位尿細管の機能推測である.さらに経時排泄の観察より,尿路死腔の有無やその大きさの推定,採尿の完全性のチェックが可能となる.経時排泄試験は本来,15分値の異常過少を発見・補正するもので,各時点(30分,60分,120分)での値はほとんど意味をもたない.ここでは15分値のみを解説する.
PSP15分値の明らかな増減を示す疾患または病態を表1に示した.低下するのは,腎実質障害,とくに慢性糸球体腎炎が最多であるが,腎前・腎後性因子のように直接腎機能と関係のない病態,疾病が多いことに注意せねばならない.
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