臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集
XI.腎機能検査
144.PSP排泄試験
安東 明夫
1
1阪大第1内科
pp.1970-1971
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216248
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異常値を示す疾患
PSP排泄試験は,腎の血行循環動態性能を知る機能検査のうちでは最も実施容易であり,かつ患者にも負担の少ない有用な検査である,15分値がRPF(CPAH)と相関が高いことから,RPFの推定を第1の目的とし,第2の目的は近位尿細管の機能推測にある.さらに,経時的排泄の観察より,尿路死腔の有無やその大きさの推定,採尿の完全性のチェックなどが可能である.しかし,経時排泄試験は尿路異常による15分値の異常過少を発見・補正するものであり,各時点(30分,60分,120分など)での値はほとんど意味を持たないので,ここでは15分値のみを採用する.
PSP 15分値の明らかな増減を示す疾病または病態を表1に示した.低下をみるのは,腎実質障害,とくに慢性糸球体腎炎によるものが最多であるが,腎前・腎後性因子に示したような直接腎機能と関係のない疾病,病態が多く含まれていることに注意しなければならない.
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