増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
免疫学的検査
免疫血液学的検査
交差適合試験
小松 文夫
1
1東京医科歯科大学医学部附属病院輸血部
pp.649-651
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909975
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交差適合試験(クロスマッチ)の意義
輸血に際してはABO式とRh式D因子の検査が必ず実施され,異型輸血を起こさないように注意が払われている.しかし,それ以外の血液型については検査はされていない.そのため,それらの血液型に関する異型輸血が行われ,結果として種々の赤血球抗体が産生される可能性がある.
赤血球は多種の血液型抗原を有しており,輸血はいつの時点でも抗原感作の場となる.患者が妊娠や以前の輸血によって,すでに何らかの赤血球抗体を有しているとき,それに反応する血液を輸血してはならない.体内で輸注血球が破壊されるからである.そこでまず反応する血液を除外しなければならない.これが適合血の選択であり,適合血の選択は交差適合試験によってなされる.交差適合試験は輸血による溶血反応を防止する大切な検査である.
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