特集 血清学的検査—その本質と実際
免疫血液学的検査
交差適合試験
徳永 栄一
1
1日赤中央血液センター
pp.1042-1046
発行日 1969年12月1日
Published Date 1969/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906595
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交差適合試験のあらまし
1.意義
交差適合試験とは,輸血に際して血管内で起こりうる血液型による抗原抗体反応を予防するために,試験管内で患者の血清と供血者の血球,および供血者の血清と患者の血球とを反応させる検査で,前者を主試験,後者を副試験という.交差適合試験は輸血の前に必ず行なわねばならない操作であって,たいていの場合凝集反応の形式が用いられる.遠心器その他ある程度の設備を必要とするので,ベッドサイドで行なう性質のものではない.また患者と同型の血液を発注することは当然であるから,この検査の前提として必ず患者の血液型(ABO式およびRh式)の検査が必要である.術式については後で簡単にふれることとして,交差適合試験のいろいろな問題点を簡単に解説してみたい.
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