増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
腫瘍マーカー
泌尿器系
PSA(前立腺特異抗原)
栗山 学
1
1岐阜大学医学部泌尿器科
pp.496-497
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909915
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検査の目的・意義
前立腺特異抗原(prostate-specific antigen:PSAまたはPA)は,prostatic acid phosphatase(PAP)以外の前立腺癌腫瘍マーカーを見いだす努力の成果として,1979年,米国Roswell Park Memorial InstituteのWang MCらによって分離・精製されたものである.PSAは分子量33,000〜34,000の糖蛋白であり,前立腺組織特異蛋白であることは,種々の検討結果から明らかである.また,その生物学的機能は一種のプロテアーゼであることも判明している.
PSAは癌特異蛋白ではなく,組織特異抗原であるため一定の限界を有しているが,前項のγ-Smと同様に,前立腺癌患者のスクリーニング,診断,経過観察に際して測定するのが一般的である.なお米国においては,前立腺癌患者数の多いこともあいまって,最も測定される頻度の高い腫瘍マーカーである.
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