増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
腫瘍マーカー
消化器系
NCC-ST-439
大倉 久直
1
1国立がんセンター中央病院薬物療法部
pp.466-467
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909902
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検査の目的・意義
NCC-ST-439とは,渡辺らが胃癌をヌードマウスに継代して作製したモノクローナル抗体の認識するシアル化糖鎖の腫瘍マーカーであり,胃癌のほか乳癌,大腸癌,膵癌,胆道癌などで産生される.血清中NCC-ST-439の測定が,これらの癌の診断補助と治療経過のモニターに利用される.乳癌の中でNCC-ST-439だけを産生するものは比較的進行が遅く,術後予後の良いものが多い.
肝疾患,閉塞性黄疸,炎症などに影響されず,比較的偽陽性が少ないので,陽性症例では血清レベルの変動が癌の動向と相関する.他のマーカーの値が不確かな場合に併用したい検査である.
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