増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
腫瘍マーカー
消化器系
DU-PAN-2
山川 治
1
,
里村 吉威
1
,
澤武 紀雄
1
1金沢大学がん研究所附属病院内科
pp.468-470
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909903
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検査の目的・意義
癌関連抗原の一つであるDU-PAN-2抗原は,Metzgarら1)により,ヒト膵腺癌培養細胞HPAF-1を免疫原として作製された一連のモノクローナル抗体(DU-PAN-1〜5)のうちIgM型抗体であるDU-PAN-2にて認識される糖蛋白抗原であり(そのエピトープはsialyl Lewiscであるという報告もある),ヒト腺癌組織に高率に発現している2)ことが知られている.Metzgarら3)は,このモノクローナル抗体を用いたRIA法にて,膵癌患者血清中に高率にDU-PAN-2抗原が検出されることを示し,筆者ら4)も同様の方法を用いての検討で,膵・胆道癌を中心とした腺癌に対して有力なマーカーであることを報告した.
現在,検査室などにても簡便に測定を行い得るELISAキット5)が発売されており,膵・胆道癌を中心とした消化器系の腺癌の腫瘍マーカーとして広く普及している.
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