増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
腫瘍マーカー
消化器系
SPan-1
佐竹 克介
1
1大阪市立大学医学部第1外科
pp.462-463
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909900
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検査の目的・意義
ヒト膵癌培養株SW1990を用いて作製されたモノクローナル抗体が認識する癌関連抗原である.この抗原は膵癌細胞の膜構成成分であるとともに,強い分泌性の性格を有している.そのエピトープの詳細な糖鎖構造は不明である.本抗原は正常膵の膵管上皮と腺房細胞の一部に軽度に認められるが,ラ島細胞には認められていない.その他,胆管上皮,腎細尿管上皮,気管上皮にも軽度に認められるが,十二指腸,食道,副腎,心,肺,肝などには認められていない.
悪性疾患での局在をみると,膵癌で最も高い陽性率を認め,次いで胆道癌,胆嚢癌にも高い陽性率がみられる.他の消化器癌(胃癌,大腸癌)や乳癌でもその局在がみられる.
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