増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液生化学検査
血中薬物濃度
血中薬物濃度測定のための採血の条件
中野 重行
1
,
堤 喜美子
1
1大分医科大学臨床薬理
pp.245-247
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909820
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血中薬物濃度と効果および副作用の関係についての研究から,すでに1960年にはフェニトインの有効血中濃度に関する報告がなされている.その後,今日に至るまで,薬物濃度の測定法および薬物動態学的手法の進歩などにより,血中薬物濃度モニタリング(TDM:therapeutic drug monitoring)が広く行われるようになってきた.わが国においても,1981年に抗躁薬の炭酸リチウムに「特定薬剤治療管理料」が適用され,保険請求が可能となった.現在では,ジギタリス製剤,テオフィリン製剤,抗不整脈薬,抗てんかん薬,アミノ配糖体抗生物質,バンコマイシン,免疫抑制薬,サリチル酸製剤,メトトレキサート,ハロペリドール製剤,リチウム製剤がその適用となっている.
TDMは,①初期投与設計を行うとき,②有効に治療が行われているかどうかの確認をするとき,③服薬指示違反が疑われるとき,④中毒・副作用の疑いがあるとき,⑤肝機能・腎機能の変化などによる薬物の体内動態の変化が考えられるとき,⑥薬物相互作用が考えられるとき,⑦誤薬の疑いがあるとき,などに行われる.
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