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血中薬物濃度の測定法は,主として化学的方法(特にクロマトグラフ)と免疫化学的方法に大別でき,木稿で述べる酵素イムノアッセイ(enzyme immunoassay:EIA)は後者に属する.
EIAは抗原または抗体を酵素でラベルし,この酵素の活性を指標にして抗原一抗体反応物の測定を行い,反応系に加えられた抗原または抗体の定量を行う方法である.免疫化学的分析法にはほかにラジオイムノアッセイ(radioimmunoassay:RIA:1959),螢光イムノアッセイ(fluoroimmunoassay,FIA,1972)やスピンイムノアッセイ(free radical assay technique:FRAT,1972)も含まれるが,EIAのラベルに用いられている酵素の代わりに,RIAは放射性同位元素を,FIAは螢光性物質を,またFRATはスピンラベルを用いている.またその他の免疫化学的方法としてのネフェロメトリックイムノアッセイ(nephelometric immunoassay:NIA,1979)はポリハプテンを競合抗原として用いた場合の抗原-抗体反応による結合物を散乱光法あるいは比濁法で測定する方法である.
EIAは1971年にAvrameasら1),Engallら2)およびVan Weemenら3)によって報告され,Scharpeら4)およびWisdom5)により総説されている.EIAは抗原-抗体反応により得られた結合物を,非結合物から物理的に分離することの有無により,ヘテロジニアス(非均一系)EIAと,ホモジニアス(均一系)EIAとに分類される.歴史的には前者は生体活性物質の測定に利用され,1972年Rubensteinら6)により開発された後者は薬物測定方法として発展してきた.近年薬物療法に際して血中薬物モニタリングの必要性が認められ,現在は実用化の段階となっている.種々の薬物濃度測定の中で,本稿ではEIAについて略述するが,薬物測定への応用もすでに総説7,8)されている.
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