増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液生化学検査
酵素および関連物質
心筋・肝関連
ミオグロビン
阿部 純一
1
1東京大学医学部脈管病態生理学
pp.84-86
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909761
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検査の目的・意義
ミオグロビン(Mb)は,分子量17,500 daltonsの赤褐色のヘム蛋白で,筋肉組織中に存在する.Mbの主な生理作用は,血色素(Hb)によって運搬されてきた酸素を筋組織で受け取り,これを筋組織中で運搬・貯蔵し,必要に応じてエネルギー産生系に供給することである.
Mbは,ヒトでは主として骨格筋(5mg/g wetweight),心筋(3mg/g wet weight)に存在する.筋細胞の崩壊時に細胞外に逸脱して血中に流出し,尿中に排泄される.すなわち,筋障害を引き起こす可能性のある広範な疾患に対し異常値をきたし得るわけで,この点,非特異的で,いわゆる診断に対する有用性は高いものではない.
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