技術講座 生化学
ミオグロビンの測定法
河田 與一
1
,
片山 善章
1
1国立循環器病センター臨床検査部
pp.1096-1100
発行日 1987年9月1日
Published Date 1987/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204259
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ミオグロビン(以下,Mbと略)は分子量17500のヘム蛋白であり,心筋・骨格筋の筋組織における酸素の運搬・貯蔵機能を担っている.臨床的には従来,尿中への大量排泄から筋疾患を推定するのに用いるにすぎなかったが,種々の微量定量法の開発に伴いその有用性が認められてきた.特に急性心筋梗塞においては,他の諸酵素(CK,CK-MB,LD,ASTなど)に先行して血中に流出し,その血中濃度の変動は梗塞部心筋からの血中への流出状況を詳細に反映することから,早期診断および経過観察に利用され,さらに梗塞量の推定の点でも応用されつつある1,2).
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