増刊号 図解 診療基本手技 第2集
基本的な臨床検査と画像診断法
血清検査
伊藤 喜久
1
1自治医科大学・臨床病理学
pp.117-119
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909664
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●血清検査とは
血清検査は,主に抗原抗体反応の原理にもとづく分析法(定性,定量,抗体活性)を駆使して,血中に出現,変化する炎症・腫瘍関連抗原,免疫関連物質(特異抗体,補体,急性相反応物質,サイトカイン)などの変動を評価する検査で,病因の特定,疾患の補助診断,病期・病勢・予後や,治療効果の判定などに用いられる.血中の抗原,免疫関連物質の検出は,生体から精製,あるいは遺伝子工学的に生合成した抗原を免疫原として,異種の動物に免疫して得られた特異抗体との反応を利用したものであり,一方,生体内に生じた特異抗体は,対応する特異抗原との反応性から検出が行われる.疾患の病態特性に応じた種々の原理による定性,定量法が開発されている.また補体のように,生物活性としても評価されるものもある.
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