増刊号 図解 診療基本手技 第2集
基本的な臨床検査と画像診断法
その他の血液化学検査
宇治 義則
1
,
岡部 紘明
1
1熊本大学医学部・臨床検査医学
pp.113-116
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909663
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●血糖
血中の糖(グルコース,ブドウ糖)の測定は糖尿病の診断治療指標として最も有用な検査であり,内分泌疾患,糖代謝に関与する臓器の疾患の診断にも欠くことのできない検査である.測定値は検体の種類(全血or血漿,静脈血or耳朶や指先の毛細管血),測定法などにより異なるので注意を要する.一般に全血は血漿より10〜15%低値で,毛細管血は静脈血より10%高値であり,採血時に解糖阻止剤(フッ化Naなど)を加え解糖を阻止する.採血は早朝空腹安静時に行う.運動,ストレスなどにより血糖値は変動する.また,種々の薬剤の服用が血糖値を変動させる場合があるので注意を要する.早朝空腹時血糖が140mg/dl以上あるいは食後1〜2時間後の血糖値が200mg/dl以上の場合には糖尿病が推測されるが,早朝空腹時血糖が140mg/dl以下でも糖代謝異常がある場合があるので,ブドウ糖負荷試験や尿糖の検査を行って臨床的総合判定を行う(表1,2).
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