今月の主題 最新の肺癌診療
的確な診断
肺門部早期肺癌の気管支ファイバースコープ診断
雨宮 隆太
1
,
邵 国光
1,2
,
坪井 正博
1
,
永井 完治
1
,
輿石 義彦
3
1東京医科大学・外科
2中国白求恩医科大学・第二臨床学院胸外科
3加納岩総合病院・胸部外科
pp.414-418
発行日 1991年3月10日
Published Date 1991/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909606
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肺門部(中心型)早期肺癌とは切除肺の病理学的検索にて肺門部(気管から区域気管支の範囲)の気管支に発生した原発性肺癌のうち,増殖範囲が気管支壁内に限局しており,リンパ節転移や血管侵襲を認めない腫瘍1)と規定されている.臨床的に肺門部早期肺癌は発生部位とその頻度より,一般には扁平上皮癌の早期例を指していると考えてよい.肺門部早期肺癌の確定診断法で最も重要なことは気管支ファイバースコープによる局在の識別であり,日本肺癌学会気管支鏡所見分類委員会2)では,表1のような内視鏡的肺門部早期扁平上皮癌の判定規準案を規定している.このような内視鏡的早期肺癌に該当する腫瘍は切除肺にて病理学的に早期癌と判定した症例の一部か,非切除例の微小癌例(8mm以下の腫瘍と仮定2))と考えてよい.本稿では内視鏡的に進行癌との鑑別が不可能な病理学的早期癌症例には触れず,内視鏡的早期扁平上皮癌の所見解析と気管支鏡による診断法についてのみ記述する.
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