今月の主題 ウイルス肝炎1990
臨床状況に応じたウイルス肝炎の予防
ウイルス肝炎の院内感染予防対策
小坂 義種
1
,
山舗 昌由
2
,
為田 靱彦
2
,
高瀬 幸次郎
3
,
近藤 功
4
1三重大学医学部・臨床検査医学
2三重大学医学部・検査医学
3三重大学医学部・第1内科
4武内病院
pp.1522-1524
発行日 1990年9月10日
Published Date 1990/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909577
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病室内や医療行為の際に患者間,あるいは患者―医療従事者間で発生する病原微生物の感染は,院内感染(nosocomial infection,hospital infection)と呼ばれ,従来は不測の事故として放置されてきた.しかし,近年,病原体とその感染ルートの解明が可能となったことから,各医療機関においてはその予防対策が急務となってきている1).本学では1982年よりウイルス肝炎予防対策委員会を設置して積極的な対応を実施してきたが,1987年7月にHBVによる痛ましい汚染事故が発生したことは記憶に新しく,予防対策の重要性を改めて再認識させられた.本稿ではB型肝炎ウイルス(HBV)の院内感染予防対策を中心に述べるとともに,C型肝炎対策についても若干触れることとする.
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