特集 ウイルス感染症
B型肝炎ウイルス感染とその予防対策
大林 明
1
Akira OHBAYASHI
1
1東京都立駒込病院,感染症科
pp.219-225
発行日 1983年4月15日
Published Date 1983/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206675
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■はじめに
Blumbergのオーストラリア抗原(HBs抗原)の発見から10数年を経過したが,この間にB型肝炎ウイルス(HBV)の本態,特性は完全に解明され,これの感染疫学や,これによっておこる疾患の臨床,病理もほぼ体系づけられた.そして現在では感染予防と治療法の確立に研究の精力がそそがれている.
わが国ではHBV感染予防対策として1972年より献血者のHBs抗原スクリーニングが施行された.引続いて東京都はB型肝炎対策委員会を結成して,医療機関内感染の予防を立案・実行した.そしてその成果をふまえて,厚生省肝炎研究推進委員会は「B型肝炎医療機関内感染対策ガイドライン」を作製して(1980),これが全国的に普及,徹底するよう努力している.
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