今月の主題 白血病—最新の知見と治療
特殊な白血病
巨核芽球性白血病
椿 和央
1
1近畿大学医学部・第3内科
pp.624-625
発行日 1990年4月10日
Published Date 1990/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909530
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造血幹細胞の研究によって,多能性幹細胞→骨髄系幹細胞→巨核芽球系前駆細胞→巨核球→血小板系の分化増殖機構が明らかになり,巨核芽球→血小板系由来の白血病がその同定法とともに注目されている.この系の白血病の存在は長い間疑問視されてきたが,その理由は,芽球の同定が困難であったためである.1972年Breton-Goriusらによって,電顕的血小板ペルオキシダーゼ(plateletperoxidase:PPO)が巨核芽球の同定に有用であると報告され,血小板特異抗原であるglycoprotein(GP)に対するmonoclonal抗体の開発が相次ぎ,芽球の同定が可能になってきた.さらに1985年,FABグループにより,これらの2方法を用いて急性非リンパ性白血病(ANLL)の中に巨核芽球性白血病(AMKL:M7)として分類されるようになった.
本稿ではAMKLの同定,診断,病態および治療について述べる.
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