発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005080089
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64歳女.発熱を主訴とした.1995年,多発性骨髄種と診断された.MCNU-VMP療法を2コース施行され,その後,MP療法が間隔をおいて継続されていた.2003年1月倦怠感が出現し,2月初め発熱がみられた.末梢血では汎血球減少がみられた.胸骨からの骨髄穿刺ではdry tapで,腸骨からの骨髄生検では骨髄線維症であり,芽球の増加や形質細胞の増加はなかった.プリモボランを投与したが効果がなく,頻回の輸血を必要とした.4月には末梢血芽球が出現し,芽球の電顕血小板ペルオキシダーゼ染色では,核膜腔や粗面小胞体が陽性に染色された.骨髄線維症を経て短期間に巨核芽球性白血病に移行したと考えられ,その後,血小板輸血も不応性となり,脳出血を併発して死亡した.巨核芽球性白血病の報告は,本邦では5例あり,全例が男性で,骨髄腫診断から白血病移行まで2~7年8ヵ月であった.うち1例だけに骨髄線維症の合併があった
©Nankodo Co., Ltd., 2004