今月の主題 消化器診療のcontroversy
肝疾患
B型肝炎のステロイド離脱療法・抗ウイルス療法は確立しているか?
日野 邦彦
1
1防衛医科大学校・第2内科
pp.266-269
発行日 1990年2月10日
Published Date 1990/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909490
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B型慢性肝炎(以下,CH-B)を根治的に治療するためには抗ウイルス療法と免疫療法とがもっとも重要と考えられている.抗ウイルス療法としてインターフェロン(以下,IFN)療法,免疫療法としてcorticosteroid(以下,CS)離脱療法が広く行われ,いずれも自然経過観察例に比しHBe抗原の陰性化率の高いことが報告されてきた.しかし,一方では,それぞれ単独療法の限界も明確にされつつある.現時点でCH-Bの治療法で最も有効率の高い治療法は,CS離脱療法とIFN療法との併用療法と思われる.しかしながら,併用療法をもってしても無効の症例が存在し,これらを解析することによって,本療法を確固たるものにする必要がある.本稿ではCS離脱療法とIFNとの併用療法について解説する.
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