今月の主題 ウイルス肝炎1990
ウイルス肝炎の特殊治療
B型肝炎に対する抗ウイルス療法
岩田 滉一郎
1
,
中尾 國明
2
,
四柳 宏
2
,
金井 弘一
2
1東芝中央病院・消化器内科
2東芝中央病院・内科
pp.1538-1540
発行日 1990年9月10日
Published Date 1990/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909583
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B型慢性肝炎に対する抗ウイルス療法にはウイルスに直接作用するものと,免疫系を介して抗ウイルス効果を示すものがあり,前者としてはInterferon(IFN),Ara-A,Ara-AMP,Acyclovirが,後者としてはステロイド(CS)離脱療法,Interleukin 2,OK 432,cianidanolなどがあげられる.現在実地に使用されているのは,そのうちでCS,IFN,および両者の併用である.適応はHBe抗原陽性のB型慢性肝炎であるが,そのなかでも,①感染してからの期間が比較的短い,②HBウイルス量が少ない(DNAP,HBVDNAが低値),③トランスアミナーゼが高値(200以上),④組織学的に活動性の強い症例に有効率が高いと考えられている.効果判定は血中HBe抗原の陰性化をもって有効とする(表1)I,II).
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