特集 薬にまつわる疑問に答える
薬にまつわる疑問
13.その他
B型肝炎患者に対するステロイド投与はどうするべきですか?
岡島 美侑
1
Miyu Okajima
1
1日本医科大学付属病院薬剤部
キーワード:
B型肝炎
,
ステロイド薬
,
再活性化
Keyword:
B型肝炎
,
ステロイド薬
,
再活性化
pp.1163-1167
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000296
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B型肝炎ウイルスについて
B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus:HBV)は血液や体液を介して感染する疾患であり,わが国における感染率は約1%と考えられている。一過性の感染と生涯にわたり感染が継続する持続感染があり,出産時や乳幼児にHBVに感染すると約9割は持続感染に移行する。その後,数年から数10年は無症候キャリアとして肝炎の症状がないまま経過し,多くの症例は10代から30代の間に一度,一過性の肝炎を発症する。HBe抗原からHBe抗体へのセロコンバージョンが起こり,非活動性キャリアとなる。約9割の患者はそのまま生涯にわたり病態が安定するが,残りの1割は慢性肝炎の状態が持続し,肝硬変や肝癌などに至る例もある。
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