今月の主題 腹部エコーToday
腹腔内臓器における腹部エコー法の役割
その他の肝腫瘤(肝膿瘍も含む)
竹内 和男
1
,
奥田 近夫
1
,
吉崎 秀夫
1
1虎の門病院消化器科
pp.1532-1535
発行日 1998年9月10日
Published Date 1998/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909389
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
●肝腫瘤の診断では形態的特徴のみならず,外側陰影,後方音響増強など超音波特有の現象の有無が鑑別に役立つ.
●外側陰影(lateral shadow)は,表面の平滑な類縁形腫瘤で認められ,嚢胞,嚢胞性腫瘍,被包型肝癌などでよくみられる.
●後方音響増強(posterior echo enhancement)は,周辺肝実質よりも腫瘤内部の音響透過性がよいために生じ,嚢胞,嚢胞状腫瘤,肝膿瘍(膿汁が多量のもの)のほか,肝細胞癌,血管腫でもみられる.
●腫瘤後方の音響減衰〜陰影は,陳旧性肝結核腫,脂肪性腫瘤でみられるほか,肝切除後の肉芽,経皮的エタノール注入療法やTAE後の肝癌結節でも認められる.
●辺縁環状低エコー帯(halo)は,腫瘍性病変にしばしば認められるが,良性病変では稀である.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.