今月の主題 経静脈・経腸栄養療法のストラテジー
栄養療法による疾病治療
短鎖脂肪酸—大腸炎患者治療への応用は可能か?
佐々木 雅也
1
,
岡本 敏彦
1
,
馬場 忠雄
1
1滋賀医科大学第2内科
pp.312-314
発行日 1998年2月10日
Published Date 1998/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909239
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
●短鎖脂肪酸は生理活性として,大腸粘膜増殖効果のほか,水・電解質吸収促進作用や血流増加作用も有している.
●短鎖脂肪酸,特に酪酸は,癌細胞のアポトーシス誘導作用や発癌遺伝子の抑制効果も有している.
●潰瘍性大腸炎では,酪酸溶液や酪酸,酢酸,プロピオン酸混合溶液の注腸療法が有用である.
●酪酸菌の経口投与にはDSS腸炎の抑制効果が認められ,短鎖脂肪酸の新しい治療法として期待される.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.