今月の主題 内科臨床における“こころ”と“からだ”
年代別の心身医療
老年期の“こころ”と“からだ”
黒田 直明
1
,
柏瀬 宏隆
2
1筑波大学大学院人間総合研究科社会環境医学専攻
2長谷川病院
pp.2072-2074
発行日 2002年12月10日
Published Date 2002/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909182
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ポイント
狭義の心身症が老年期になって初発することは稀である(以前からの再燃・再発が多い).
糖尿病,虚血性心疾患,脳卒中などの身体疾患はうつ病を合併しやすい.逆にうつ病患者は心筋梗塞や糖尿病に罹患しやすい.
特に脳卒中後うつ病,また警告うつ病に注意する.
身体愁訴が執拗な老年期患者に対しては,訴えを傾聴し受容的に接する,心理的な不平・不満がないかを尋ねてみる,うつ病の可能性も考えて精神症状も尋ねてみる.
老年期患者には心→身療法(psychosomatic therapy)と身→心療法(somatopsychic therapy)との両方が有用である.
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