増刊号 内科医が使う薬の副作用・相互作用
感染症薬
リンコマイシン系(リンコシン,リンタマイシン,ダラシン)
笠原 寿郎
1
1金沢大学医学部呼吸器内科
pp.412-414
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909098
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リンコマイシン系抗菌薬は,わが国では塩酸リンコマイシン(リンコシン®,リンタマイシン®)と塩酸クリンダマイシン(ダラシン®)が市販されている.いずれも,ブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌属,ペプトストレプトコッカス属,ペプトコッカス属に適応症を有している.ブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌属に対する抗菌活性は,現在用いられている他の抗菌薬(セフェム系,カルバペネム系)と比較して強いものではなく,これらの細菌に対して第一選択として用いられることは少ない.リンコマイシン系抗菌薬の優れた特徴は,嫌気性菌に対する強い抗菌活性にある.特に塩酸クリンダマイシンは嫌気性菌感染症に対する第一選択として用いられることが多い.また塩酸クリンダマイシンはマイコプラズマに対しても適応を有している.
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