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薬の効き目に男女差がある?
島田 美樹
1
1東北大学大学院薬学研究科薬物動態学分野
pp.207
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909010
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ラットやマウスでは薬の動態と代謝に,性差のあることが古くから知られています.ラットでは,成長ホルモンの分泌パターンに著しい性差があり,この違いが代謝酵素などの発現に影響して,薬効と動態の性差が生じます.ヒトでは成長ホルモンの分泌パターンに性差は認められず,しかも先天的な遺伝的因子や後天的な食事や環境因子などによって現れる「個人差」が大きく,薬の効き目に男女差はないと信じられてきました.
しかし最近,薬の効き目に男女差があるという報告が増えてきました.例えば,メチルプレドニゾロン,チリラザド,ベラペミルの血漿クリアランスは,女性が男性より高い値を示すという報告があります.これらの薬の代謝にかかわる主な酵素(チトクロームP450)として,CYP3A4があります.この分子種含量に男女差があるとする報告があり,薬物代謝酵素含量の差が薬の効き目に影響している可能性があります.
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