増刊号 内科医が使う薬の副作用・相互作用
代謝・栄養障害薬
フィブラート系薬剤(ベザトールSR,リパンチル)
辻 昌宏
1
1北海道社会保険病院内科
pp.200-202
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909007
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フィブラート系薬剤は,主にトリグリセライド(triglyceride:TG)を低下させ,高比重リポ蛋白(high density lipoprotein:HDL)を上昇させる作用をもち,わが国で以前から使用されていたが,総コレステロールの低下作用ではスタチン系薬剤に比べ弱かった.しかし,最近のベザフィブラート(ベザトールSR®)・フェノフィブラート(リパンチル®)はコレステロール低下作用も強い.フィブラート系薬剤の作用機序の詳細はこれまで明らかではなかったが,最近,肝細胞内の核内受容体の一つであるperoxisome proliferatoractivated receptor(PPAR)αを活性化して種々の蛋白質の発現を調節することにより,遅延する超低比重リポ蛋白(very-low-density lipoprotein:VLDL)の代謝を改善し,HDLを増加させることが明らかとなってきた.基本的にTGリッチなリポ蛋白の代謝を改善し,HDLを増加させる作用は,ベザフィブラート・フェノフィブラートとも共通であるが,肝機能や尿酸値に及ぼす影響は,この2剤では差が認められる.
本稿では,最近使用頻度の高くなったフィブラート系薬剤の副作用・相互作用につきまとめた.
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