今月の主題 動きながら考える内科エマージェンシー
救急外来でのコミュニケーション
救急外来コミュニケーション—救急専門医の立場から
中島 伸
1
1大阪府立中河内救命救急センター
pp.865-868
発行日 2001年5月10日
Published Date 2001/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908145
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医療従事者にとって,患者・家族とのコミュニケーションが重要なのは言うまでもない.しかし,混乱した救急診療の場面では何かと行き違いが起こりやすいのも事実である.また,コミュニケーションのトラブルは医師と患者の間に限らず,病院の看護・技術・事務職員と患者・家族・付き添い人など,あらゆる組み合わせで起こりうる.このようなトラブルが発生したときにも,医師は現場の最高責任者として,誠意をもって患者・家族に接するべきである.誰しも不愉快な思いをするために病院に来るのではない.
さて,患者・家族とのコミュニケーションを「ちょっとした心掛けさえあれば誰にでもできること」と軽く考えては大変なことになる.コミュニケーションというものは技術と時間と場所が必要で,そのうえ記録に残さなくてはならない厄介なものである.そこで,筆者の経験から,救急外来におけるコミュニケーションについて,「やらなくてはならないこと」と「やってはいけないこと」をまとめた.筆者自身は3次救急施設に勤める脳神経外科医であり,いささか特殊な立場ではあるが,コミュニケーションの基本は共通であると信じている.
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