増刊号 臨床医のための最新エコー法
エコー法の新しい展開
Integrated Backscatter
増山 理
1
,
山本 一博
1
1大阪大学大学院医学系研究科病態情報内科学
pp.383-385
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907784
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通常の心臓超音波装置では,プローブ(探触子)で受信された超音波信号に,心内膜面をより鮮明に描出するための種々の画像処理を施し,モニタ画面に描出する.これは,現在の心エコー検査では,心構造物と血液の境界面である心内膜のエコーが解析対象であるためである.しかし,受信超音波信号には実に豊富な情報が含まれていることがわかっており,心筋組織から反射してきた超音波信号を適切に解析すれば,その組織性状を同定できるはずである.そこで,超音波の送受信信号レベル,すなわちradio frequency(RF)信号として信号処理を行う超音波組織性状診断法が登場した.その中に,心筋から後方散乱(反射)してくる超音波RF信号のパワー(integrated backscat—ter:IB)を解析する方法がある.IBは受信超音波信号をフーリエ変換し,周波数軸で展開してその平均値として求めることも可能であるが,単に反射超音波信号強度を2乗して時間軸で積分することによっても求められる.
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