増刊号 臨床医のための最新エコー法
エコー法の実践—腹部エコー法
小児腹部
中村 みちる
1
1自治医科大学臨床検査医学
pp.266-269
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907749
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検査の手順
検査の手順自体は,原則として成人の腹部と変わりない.小児は脂肪や筋肉量が少なく,大人に比べ良好な画像が得られる条件を有している.体が小さいため一つの視野に腹部横断像の大部分が入り,CTさながらの全体像を得ることもできる.
しかしながら,啼泣によりガスが腸管に入り込むと正中部の観察が不能になり,またおとなしくしていられない子どもであると観察が不十分となり,大切な所見を見落としてしまうことがある.子どもがリラックスできるように話しかけたり,時にはビデオを見せたり,ミルクを飲ませ静かにさせるよう試みるが,それでも暴れるときは睡眠薬の投与も適宜考慮する.筆者らは超音波室に絵本,おもちゃ,あめなどを用意しており,また必要によりトリクロリール®(8mg/kg)またはエスクレR坐薬(30〜50mg/kg)を用いている.
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