増刊号 臨床医のための最新エコー法
Editorial
エコー技術の進歩と臨床医に求められるもの
伊東 紘一
1
1自治医科大学臨床検査医学教室
pp.8-10
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907677
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超音波エコー法が50年を超える発展の経過において,数々のME(medical engineering)の技術的な進歩がみられた.Aモード法からBモード法になり,断層像を描けるようになったことは大きな一歩であった.しかしながら,この時点で臨床医は,一本の探触子(プローブ)を用いて名人芸の腕前を見せなければならなかった.この名人芸もスキャンコンバータを利用して,階調性(グレースケール)の良い画像を容易に得ることができるようになり,診断の精度を向上させることができた.腹部の接触複合走査法と心臓の心拍同期装置による名人芸の時代を経て,やがて電子走査方式を中心とするリアルタイム(実時間)表示の時代に入っていく.リアルタイムの時代になって,臨床医であれば誰でもが,超音波画像を描出し,診断することができる可能性が出てきた.これは,本当の意味で超音波の臨床応用の時代に突入した画期的な出来事である.誰でもが簡単に超音波画像を得ることによって,多くの臨床データが収集されて,超音波画像の有効性が確認されていった.大小様々な技術面における進歩の中から,リアルタイム断層法に続く,抜きん出た発明であるカラードプラ断層法が開発された.
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